京都・老舗菓子の甘い香りで頭痛…訴え一部認め賠償命令

2010.9.15 11:58(産経ニュース)
 
 明治4年に創業した京都市の製菓会社「石田老舗(ろうほ)」の工場周辺に住む住民17人らが、焼き菓子の甘い香りなどで苦痛を受けたとして、同社と京都市に慰謝料など計約2100万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が15日、京都地裁であった。

 杉江佳治裁判長は「原告側は、約3年4カ月にかけて不快感を抱えた生活を余儀なくされた。石田老舗は法をあまりに軽視しており悪質」として、同社に計約280万円の支払いを命じた。

 原告側は操業を放置したとして市の賠償責任についても認めるよう訴えていたが、杉江裁判長は「是正のために行政指導を継続的に行っていた」として請求を棄却した。

 判決などによると、同社は同市南区で平成17年2月、事務所兼倉庫として市の建築確認を受けた約850平方メートルの建物を和菓子の製造工場として操業を開始。建築基準法で50平方メートルを超える工場を建てられない区域だったが、20年6月に移転するまで操業を続け、住民側はその間、バターやあんなどの甘いにおいに苦しめられ、頭痛症状などの健康被害を受けた。

 石田老舗側は「判決の内容を確認していないので、コメントできない」としている。

新型インフル予防にハンドジェルの効果「ほぼ無し」、米研究

2010年09月13日 20:02 発信地:ボストン/米国 【9月13日 AFP】

  新型インフルエンザA型(H1N1)の世界的大流行(パンデミック)の際、保健当局が普段から使用するよう勧めていたアルコールの殺菌ジェルに、新型インフル感染率の低減効果がほとんど無かったとする報告書が12日、米ボストン(Boston)で開かれている「抗菌薬および化学療法に関する学術会(Conference on Antimicrobial Agency and Chemotherapy、ICAAC)」で発表された。

 報告書は、手指用の除菌剤などを含む消毒・ケアグッズを製造するダイアル・コーポレーション(Dial Corporation)が資金提供し、バージニア大学(University of Virginia)のロナルド・ターナー(Ronald Turner)氏が率いる研究チームがまとめた。

 報告書によると、パンデミックウイルスならびに類似の株は、接触感染ではなく、空気感染で最も効果的に感染が広がることが判明。「抗ウイルス活性を高めた手指用のアルコール殺菌剤は、ライノウイルスおよびインフルエンザの感染頻度の低減に役立たなかった」と結論づけた。

 研究は2009年8月25日~11月9日にかけて、被験者に3時間ごとの手の消毒を10週間にわたって続けてもらった。その結果、対照群では100人のうち51人が感染したのに対し、消毒をしたグループでも100人のうち42人がライノウイルスに感染していた。また、新型インフルにも、消毒をしたグループで12人が感染し、対照群の15人とほぼ変わらなかった。

 ターナー氏は「手洗いは、ほかのウイルスが引き起こす病気の低減にも、あまり役立たなかった」と述べた。

 報告書は「この研究により、これらの種類のウイルスへの感染防止には空気感染を注意する意識を高めることが必要かもしれない」と結んだ。


●ライノウイルスとは・・・
大人のカゼの1/2~1/3は、ライノウイルスが原因だとされています。
ライノウイルスによるカゼは、一年中見られますが、特に春と秋に多く見られます。
ライノウイルス属は酸に弱く、上気道から感染します。

 

<コメント>
上記の研究結果に少々驚いています。
内閣政府をはじめとする各省庁、保健所等で指導されていた「手洗い」や「手指のアルコール消毒」はどこまで効果があったのか・・・。

とはいえ、昨年秋冬では食中毒事故が減少したこともあり、空気感染が原因となるウイルス以外には効果的であると思います。予防する対象(菌やウイルス)が何なのか、目的を明確して衛生管理商品を選択するようにしましょう!

新型インフル発症で早産2・5倍…産婦人科医会

新型インフルエンザで入院した妊婦は、早産の割合が通常より2・5倍も高いことが、日本産婦人科医会の調査で分かった。


 調査した全国2611の病院や診療所では、昨年5月~今年3月に234人の妊婦が新型インフルエンザで入院した。全員が回復したが、出産時期が分かった178人のうち26人(14・6%)が、「早産」とされる妊娠22~36週での出産だった。早産の割合は、2008年の全国平均が5・8%で、その2・5倍に上る。

 世界保健機関(WHO)によると、妊婦は、ぜんそくや糖尿病の患者などと並び、新型インフルエンザにかかると重症化しやすい。

(2010年9月9日15時11分  読売新聞)

相次ぐ多剤耐性菌 厚労省、全国調査へ

  厚生労働省は6日、帝京大学病院(東京都板橋区)で院内感染を起こした多剤耐性菌の全国調査に乗り出す方針を決めた。独協医科大学病院(栃木県)で見つかった別の新タイプの多剤耐性菌への対応も検討し始めた。いずれも海外で先行して感染が広がっており、国内での拡大に危機感を強めている。

 帝京大学病院で発生したのは複数の抗生剤が効かない細菌アシネトバクターだ。健康な人なら感染しても自分の免疫力で抑えられるほどの毒性だ。福岡大学病院や藤田保健衛生大学などで一昨年から今年にかけ、20人以上の患者が院内感染しており、集団感染事例が増えている。

 一方、6日に独協医科大学病院がインドから帰国した患者から見つかったと発表したのは「NDM1」という新型の多剤耐性の遺伝子を持つ大腸菌だ。インドやパキスタンで広まっているとみられている。欧州では、多くの人が医療費が安い現地へ美容外科手術などを受けに行く。治療の際に感染し帰国する例が問題になっていた。

 国立感染症研究所の荒川宜親・細菌第二部長は「大腸菌は誰もが持っている。必要以上に怖がることはないが、(健康な人でも)膀胱(ぼうこう)炎などの症状がある場合、原因の可能性もあるので早めに医療機関を受診して欲しい」と呼びかける。

 英医学誌ランセットの姉妹誌に8月に掲載された論文ではインドやパキスタン、英国などで見つかった180例を分析。「NDM1は他の菌にうつりやすく、他の菌が多剤耐性化する危険性がある」と警告している。すでに海外では、毒性は強くない菌だが、肺炎桿(かん)菌でも広まっている。食中毒を起こすサルモネラなど毒性の強い菌にうつる恐れも指摘されている。

  世界保健機関(WHO)は論文を受けて「各国政府は耐性菌の発生をきちんと監視すると同時に、抗生剤の誤った使い方を是正し、医療従事者らに手洗いなどの感染対策を徹底するよう改めて周知して欲しい」という声明を出した。

 アシネトバクターは集団感染例が複数出始め本格的な拡大が心配される。NDM1は集団感染ではないが1例目だ。厚労省や研究者は警戒を強めている。

2010年9月7日1時39分 朝日新聞

早くもインフルで学級閉鎖

2010.9.6 18:40 産経ニュース
  東京都教育委員会は6日、目黒区の中学校で今季初のインフルエンザによる学級閉鎖を実施すると発表した。都内でのインフルエンザの発生は例年10月で、都教委は「9月の学級閉鎖は極めて異例」としている。

 都教委によると、学級閉鎖されたのは区立第7中学校の3年生の1クラスで、期間は7~9日の3日間。クラスの生徒34人のうち、39度以上の高熱などで5人が欠席、うち4人がインフルエンザA型の診断を受けたという。

 都教委は「昨年流行した新型インフルエンザかどうか遺伝子検査で調査している」としている。

新型インフルにタミフル早期投与、高い効果

昨シーズンの新型インフルエンザで日本の死亡率が低かった理由の一つとして、タミフルなど治療薬の早期投与が考えられているが、慶応大学病院などでの症例解析から、入院した子どもの9割は発症後2日以内に薬を使い、回復していたことが明らかになった。


 薬の効果が高い段階で、集中的に投与されている実態を裏付けたデータで、3日から香港で開かれる国際学会で報告される。

 研究チームは、昨年6月から今年2月に関東、東海地方の25病院に入院した1000人(平均年齢6・4歳)を調べた。

 発症と投与時期が判明しているのは667人で、89%にあたる593人は発症後2日以内に使い始めていた。12人が人工呼吸器を装着するまで悪化したが、死亡したのは1人だった。

(2010年9月3日09時36分  読売新聞)

鳥インフル:豚も強毒性のウイルスに感染 東大教授ら確認

強毒性鳥インフルエンザ(H5N1)の人への感染が世界で最も多いインドネシアで、同ウイルスが豚にも高頻度で感染していることが、東京大医科学研究所の河岡義裕教授(ウイルス学)らの調査で分かった。昨年世界的大流行を起こした新型インフルエンザ(H1N1)も豚の体内を経て人に感染しやすく変異したとされる。米専門誌電子版に発表した。

 河岡教授らは05~09年、同国内の養豚場や食肉処理場で健康な豚計702匹を調べた。すると52匹(7.4%)で鼻のぬぐい液や血液からH5N1ウイルスが検出された。さらに検出されなかった豚からもウイルスに感染するとできる抗体があり、さらに広く感染していることが分かった。

 豚は鳥と人に感染するインフルエンザウイルスのどちらにも感染する。このため二つのウイルスが交雑して、人に感染しやすく変異した新型ウイルスによる世界的大流行が警戒されている。特に、H5ウイルスは新型のH1ウイルスと交雑しやすいことも分かっており、今回検出されたウイルスの一部には人に感染しやすくなる変異が起きていた。

 世界保健機関によると、8月12日現在でH5N1ウイルスの感染者は15カ国・計504人で、致死率は約59%(299人)に上る。河岡教授は「今後、豚のウイルスを監視することが非常に重要だ」と話している。

毎日新聞 2010年9月1日 19時19分

 

 

<コメント>

「ヒト → ヒト 感染」が発生してニュースが流れた途端に、昨年と同様にパニック状態に陥ることが予想されます。

昨年流行した新型インフルエンザを教訓に、早めに備蓄品の準備をしておきましょう!

新型インフル:タミフル耐性ウイルス、通常と同じ感染力

治療薬タミフルに耐性を持つ新型インフルエンザウイルス(H1N1)が、通常の新型ウイルスと同程度に感染拡大することが、河岡義裕・東京大医科学研究所教授(ウイルス学)らのチームによる動物実験で分かった。米科学誌「プロス・パソジェンズ」電子版に掲載された。

 河岡教授らは、イタチの仲間フェレットに、大阪とベトナムで採取した通常の新型ウイルスと、タミフル耐性ウイルスを、それぞれ感染させた。36匹を6グループに分け、隣のケージのフェレットに感染するかを調べたところ、全グループで感染が広がった。

 これまでタミフル耐性ウイルスは、広がりにくいと考えられていたが、08~09年に季節性のH1N1ウイルス(ソ連型)で耐性ウイルスが世界中に広がった。

 河岡教授は「新型インフルエンザでも、タミフル耐性ウイルスが人の間で広がる可能性があり、注意深く監視する必要がある」と警告している。

毎日新聞 2010年8月28日 11時59分

新型インフル、季節性扱いに…今年度末めど

厚生労働省は27日、今年度末をめどに新型インフルエンザの法的な位置づけを見直し、従来の季節性インフルエンザ並みの対策に戻す方針を発表した。


 世界保健機関(WHO)が10日に世界的大流行の終息宣言を出したことと、国内で昨年のような季節はずれの流行が見られないことなどから判断した。ただ、今年度中は警戒を続け、ワクチン接種事業などを実施する。流行の仕方などに例年の季節性インフルエンザと大きな違いが見られなければ、感染症法に基づく「新型」から外す。

 新型の指定が外れると、昨年の発生当初に実施された徹底した検疫やウイルス検査などは行わなくなり、高校や大学、専門学校は集団発生の報告が不要になる。ワクチン接種の推奨は終了し、低所得者への接種費用の補助もなくなる。

 同省によると、国内ではこれまでに推定約2100万人が感染し、202人が死亡している。流行は昨年11月にピークを越え、今年3月以降は大きな流行は起きていない。政府の新型インフルエンザ対策本部(本部長=菅首相)も、27日に解散した。

(2010年8月27日21時11分  読売新聞)

新型インフルワクチン、副作用1万人に1人

厚生労働省の検討会は25日、昨シーズンの新型インフルエンザワクチンについて、副作用の傾向や頻度は通常の季節性インフルエンザワクチンと大差なかったと結論付けた。


 ただ、重い持病のある高齢者などでは直接の因果関係は認められなかったが、死亡例の報告もあったため、今年10月からのワクチン接種でも、注意を呼びかける。

 新型ワクチンの推定接種者数は約2200万人。副作用は計2433人分報告され、このうち重い症状は417人分だった。季節性ワクチンと副作用の報告方法が異なるため、単純に比較はできないが、大きな違いはなかったという。

 また、接種後の死亡例が133例報告されたが、接種と直接の因果関係が認められた例はなかった。

 今年10月からは新型に加え、季節性のA香港型、B型を含む3種混合ワクチンの接種が始まる。国内メーカーは約5800万回分を生産する見込み。

(2010年8月26日10時55分  読売新聞)

北米で集団発生の強毒カビ 感染患者、国内で初確認

2010年8月24日11時38分 朝日新聞
    
 北米で集団発生が問題となり健康な人でも死亡することがある強毒カビに、東京都内の40代男性が感染していたことが分かった。「クリプトコッカス・ガッティ」という真菌で国内初の感染例だ。男性に北米への渡航歴はなく、国立感染症研究所は他に患者がいないか実態把握に乗り出す。

 東京大チームが突き止めた。男性は健康に問題はなかったが、頭痛やものが見えにくくなり2007年に都内の病院を受診。検査で脳に直径5センチほどのこぶが見つかり手術で取り出して調べた結果、このカビを検出した。点滴や飲み薬で1年後に快復した。

 感染者から体外にカビが出ることはなく人から人へは感染しない。植物に付着し何かの拍子で舞い上がったカビを吸い込んで感染する。このカビは、1999年にカナダ・バンクーバー島で人の感染が集団で起こり、その後、北米大陸に広がり最近は米西海岸の複数の地域で報告されている。男性で見つかったカビの遺伝子は、カナダのものと同じだった。

 米疾病対策センター(CDC)によると、7月までに米西海岸側で60人の患者報告があり、経過を確認できた45人のうち2割の9人が亡くなった。免疫力の落ちた患者だけでなく、健康な人も含まれていたという。

 東大病院の畠山修司感染症内科副科長は「北米から輸入された木材についたカビを吸い込んだかもしれないが、既に国内の植物にカビが定着している可能性もある」とみる。カビの潜伏期間は平均6~7カ月。男性が最後に渡航したのは、受診時から8年前のサイパンで、そこからの感染は考えにくいという。

 国立感染症研究所の宮崎義継・生物活性物質部長によると、早く発見すれば治療できるが、病院で見落とす恐れがある。「1年以内に北米に行った経験があれば診断時に医師に伝えてほしい」という。

【新型インフル】流行から1年 危機は去ったのか

2010.8.22 22:33 MSN産経ニュース

  新型インフルエンザに関して政府が昨年8月21日に「流行入り」を宣言してから1年になる。昨夏は各地で新型インフルが蔓延(まんえん)したが、今年は目立った感染報告はない。今年8月10日には世界保健機関(WHO)がパンデミック(世界的大流行)の終息を宣言した。危機は去ったのか-。世界の状況と専門家の分析から、今年の動向を探った。

 「最も激しいウイルスの活動期は過ぎた」

 今月10日。WHOのマーガレット・チャン事務局長はそう切り出して、パンデミックの終息を宣言。フェーズ(警戒水準)を「ポスト・パンデミック期」(最盛期越え)に切り替えた。

 WHOにとっては昨年6月にパンデミックを宣言して以来、1年2カ月ぶりのフェーズ変更となった。

 豪州など冬を迎えている南半球が現在、インフルの流行期にあたるが、流行規模は普段の季節性程度。パンデミック時は新型が季節性ウイルスの感染活動を抑えたが、そのようなこともない」(チャン事務局長)というのが主な理由だ。


■第2波で拡大も

 国内でも今夏は流行入りの兆しはない。国立感染症研究所によると、8月15日までの1週間で、報告のあったインフルエンザ患者数は162人。1医療機関あたりの患者数が1人を超えると流行期とされるが、今はまだ0.04人にとどまっている。昨年の同時期は、1.69人だった。

 「多くの人がすでに免疫を獲得しており、このまま冬までほとんど流行しない可能性もある。少なくとも去年のような大きな流行はないだろう」。そう話すのは、元北海道小樽市保健所長で、インフルに詳しい外岡立人氏。現在、流行がみられる香港でも新型は少なく、主流は新型でなく、季節性のA香港型という。

 しかし、東北大の押谷仁教授(ウイルス学)は「油断は禁物」と警告する。過去の例では、再流行した第2波で被害が拡大したこともあるからだ。

 実際、ニュージーランドやインドなど南半球の一部の国では今年、昨年を上回る流行を見せているという。押谷教授は「日本の場合、昨年の流行では高齢者や妊婦などリスクの高い人に感染が広がらなかった。今年この層に感染が及べば、大きな被害をもたらす危険がある」と話す。


■ワクチン接種に変化

 WHOがパンデミック終息を宣言したことで、いつまで「新型」と呼び続けるかという問題も出てきた。

 厚労省によると、今回の新型インフルを「新型」と呼んでいるのは日本ぐらい。世界では「パンデミック2009」や「スワインフルー(豚インフル)」などと呼ばれている。

 日本での「新型インフル」という名称は感染症法で元々、規定されており、「新型」を外すには、厚労相が「国民の大部分が免疫を獲得した」と判断する必要がある。

 厚労省によると、「新型」でなくなったとしても、国の対策は弾力運用されているため大きくは変わらない。しかし、ワクチン接種の費用などが少し変わってくる。

 新型インフルの場合、ワクチン接種は国の事業で、接種費用も行政が決める。低所得者には接種費用を助成する制度もある。しかし、新型でなくなれば通常の季節性と同じ任意接種となる。接種費用は医療機関が独自に設定。低所得者への助成もない。

 北里大の和田耕治講師(公衆衛生学)は「ワクチンを打った人を入れても免疫を持っているのは国民の3割程度。新型と呼ばなくなることで国民の意識の低下も懸念される。あと一冬くらいはこのまま様子を見ても良いのではないか」と話している。

米でタマゴ3億8千万個回収 サルモネラ菌汚染の恐れ

 サルモネラ菌に汚染された恐れがある殻つき生卵の自主回収が米国で拡大しており、米メディアによると、18日現在で計3億8千万個に達した。これほど大規模な生卵の回収は珍しい。食品医薬品局(FDA)などが汚染源を調べている。

 夏はサルモネラ菌による食中毒が起きやすい時期だが、今年6~7月、疾病対策センター(CDC)に、例年の約4倍に当たる毎週200人の中毒患者の報告が寄せられるなどしたため、FDAなどが調査。その結果、患者の多くがアイオワ州の養鶏場から出荷された殻つき生卵を食べていたことが判明した。

 この養鶏場は8月13日、スーパーマーケットなどに向けて5月19日以降に出荷された生卵の回収を始めた。

 生卵を割って作る業務用の液卵に比べ、生卵は殻で守られていて安全と考えられている。しかし、農務省(USDA)によると、サルモネラ菌は殻にある細かい穴を通過することができ、産み落とされたあと、鶏のふんによって汚染される可能性があるという。

 日本の厚生労働省によると、現在、米国から殻つき生卵は輸入されていない。加工食品の原料として利用された場合でも、加熱処理されており、国内への影響はないとみられる。

2010年8月20日12時48分  朝日新聞 

抗生物質効きにくい病原性大腸菌 米で確認、日本でも

 抗生物質で治療しにくい新型の多剤耐性の病原性大腸菌が米国で広がっていることが、ミネソタ州の退役軍人医療センターなどの研究でわかった。ST131と呼ばれる型で、従来の耐性大腸菌に比べて病原性が比較的高く、感染すると重症になりやすい。日本でも見つかり、西日本などで拡大中という。

 米感染症学会の専門誌に今月、掲載された論文によると、2007年、米国で抗生物質が効かない大腸菌の流行があった。研究チームが入院患者127人から採取した大腸菌を調べたところ、うち54がST131だった。

 耐性がある大腸菌は病原性が低いものが多く、病原性の高い大腸菌は抗生物質による治療が可能だったが、ST131は病原性が比較的高いうえに耐性もある。

 カルバペネムなど切り札となる薬への耐性はみられていないが、チームのジェームズ・ジョンソン博士は「この菌がもう一つ耐性遺伝子を獲得すると、ほとんど治療不能。大変、憂慮される」と警告している。

 ST131は米国以外の数カ国で見つかっている。九州大病院の内田勇二郎助教によると、耐性がやや異なるST131が西日本を中心に拡大中という。

 大腸菌の多くは無害だが、まれに重い感染症を引き起こすものもある。ST131は、激しい下痢を引き起こしたりするO(オー)157とは異なる型だが、食中毒を起こすこともある。必要以上に恐れることはないが、尿管感染が悪化した敗血症などで患者が死亡する場合もある。

 抗生物質の乱用などによる耐性菌の発生は世界的な問題になっており、世界保健機関(WHO)は来年4月の世界保健デーのテーマを「薬剤耐性」にする予定。また最近、インド由来とみられ、抗生物質がほとんど効かない耐性遺伝子NDM1を持つ菌も見つかっている。

2010年8月19日11時18分 朝日新聞

生肉の食中毒多発 道が注意呼び掛け

生肉に付着するカンピロバクター属菌による集団食中毒が4月以降、道内で5件(計50人)相次いでいる。鶏や豚、牛などの消化管内に潜在する細菌で、食中毒になると、下痢や頭痛などの症状を引き起こす。まれに重症化するケースもあるといい、道が食肉の加熱を徹底するよう注意を呼び掛けている。

 道健康安全局によると、道内のカンピロバクター属菌による集団食中毒は09年に10件(計95人)、08年に17件(計130人)発生した。特にレバ刺しや鳥刺しなど、生肉を食べる機会が多い夏場に発生が集中するという。

 100個程度の菌量で食中毒になるため、菌を死滅させて安全を確保するには、75度以上で1分以上、生肉を加熱する必要がある。同局は「加熱や冷蔵保存はもちろん、生肉を扱った調理器具の使い回しなどには注意してほしい」と話している。

毎日新聞 2010年8月16日 22時37分

 

<コメント>

食中毒菌が付着した食材に使用した調理器具は、使用後に必ず洗浄・殺菌をその都度おこない、二次汚染しないよう十分ご注意下さい。

WHOに報告されたヒトの高病原性鳥インフルエンザA(H5N1)感染確定症例数

8/11に国立感染症研究所 感染症情報センターHP内にて鳥インフルエンザの感染確定症例数が発表されました。

http://idsc.nih.go.jp/disease/avian_influenza/case201000/case100803.html

 

2010年は、確定症例数35件に対して死亡例数17人。

2003年からの統計によると、確定症例数503件に対して死亡例数299人となっており、ひとたび鳥インフルエンザに感染してしまうと、約6割の方が亡くなっている状況です。(2010.8.3現在)

 

海外へお出掛けの際は、不用意に鳥へ近づかないよう十分ご注意下さい。

新型インフル:パンデミックは終息期に…WHO事務局長

世界保健機関(WHO)のチャン事務局長は10日、電話回線による記者会見で、新型インフルエンザの世界的大流行(パンデミック)は終息期に入ったとの声明を発表した。パンデミック宣言は09年6月に出されて以来、約1年2カ月ぶりに解除された。

 世界各国の専門家による緊急委員会が同日朝開かれ、感染状況を討議。WHOは6月3日、感染の「最盛期」(ピーク)は過ぎたものの、冬の南半球で感染状況を監視する必要があるとして警戒水準で最高度の「フェーズ6」を維持していた。しかし、その後、一部地域を除き感染拡大が見られないことから、宣言解除を判断した。

 WHOは、09年4月の流行開始からこれまでに少なくとも1万8449人以上が新型インフルエンザで死亡したとしている。

 WHOのパンデミック宣言については、先進諸国を中心に大量のワクチンや薬が余ったことから、欧州会議などで疑問や批判が起きている。このため、WHOは科学者ら29人による独立委員会を設置。宣言の妥当性について検証作業を進めている。

毎日新聞 2010年8月10日 23時30分

O26:保育園児25人、感染か−−名古屋・千種区 /愛知

名古屋市は7日、千種区新池町の新池保育園に通う園児25人が腸管出血性大腸菌O26に感染した疑いがあると発表した。いずれも軽症で快方に向かっている。市によると、今月2日、1歳女児からO26の菌を検出したと区内の医療機関から千種保健所に連絡があった。保健所が調べたところ、25人が下痢や嘔吐(おうと)などの症状を発症。2人の検便から菌が見つかった。食中毒の可能性は低く、接触などによって広まったとみられる。


毎日新聞 2010年8月8日 地方版

 

<コメント>

素手で触ったものをすぐに口へ入れてしまう幼児には、手洗い・うがいの励行を!
接触感染を予防するには、多数の人が触れる場所(ドアノブ、蛇口、便座等)の消毒が必要不可欠になります。
できれば、おやつや食事の前だけでも“手指の消毒”をしてあげると良いですね。

新型インフル大流行、原因特定…河岡東大教授ら

昨年、豚由来の新型インフルエンザウイルスが大流行したのは、これまで知られていなかった特定の遺伝子変異が原因であることを、河岡義裕・東京大学教授らの国際チームが解明した。


 致死率の高い高病原性鳥インフルエンザ(H5N1)も、同じ遺伝子の変異が起きると人間の体内で増えやすくなることも分かり、H5N1の感染拡大防止への活用が期待される。米専門誌の電子版に6日、掲載された。

 人間で流行するインフルエンザウイルスを作る遺伝子はこれまで、増殖の役割を担う2か所のアミノ酸が変異していることが知られていた。しかし、昨年の新型インフルエンザには、この変異がなく、河岡教授らが調べたところ、別の1か所の変異により、人の体内で増殖する力を獲得していた。

 H5N1ウイルスでも同じ場所を人工的に変異させたところ、人間の細胞で増えやすくなった。

 河岡教授は「この部分が変異しているかを監視すれば、早い段階で大流行するかを判断できるだろう」と話している。

 河岡教授はまた、新型インフルエンザと鳥インフルエンザのウイルスが混合しやすいことも、培養細胞を使った感染実験で確認し、別の専門誌の電子版に発表した。感染拡大しやすい高病原性ウイルスが誕生する可能性を示唆している。

(2010年8月6日14時04分  読売新聞)

H5型鳥インフルと新型インフル“交雑”で危険ウイルス出現か

2010.8.5 09:48(MSN産経ニュース)

  鳥から人に感染しアジアなどで死者も出ている鳥インフルエンザのウイルス(H5N1)と、新型インフルエンザのウイルス(H1N1)は、交雑して高い増殖力を持つものができやすいとの研究結果を、東京大医科学研究所の河岡義裕教授らが、米専門誌電子版に5日発表した。

 新型ウイルスは豚や鳥、人由来のウイルスの遺伝子が混ざり合っており、豚の中で交雑したと考えられている。河岡教授は「H5N1が新型と交雑し、病原性が高く人に感染しやすいウイルスが出現する可能性がある」と話している。

 8本あるウイルス遺伝子のうち、増殖に重要なPB1など4本に注目。H5N1の4遺伝子が新型の遺伝子に置き換わった場合を想定し、16通りの交雑ウイルスを作った。細胞に感染させるといずれも増殖し、増殖力が強くなったものもあったことなどから、H5N1との遺伝子交雑が起きやすいと結論付けた。

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