カビの豆知識

カビとは・・・
原生生物に属し、キノコや酵母とともに真菌類(5種類)と呼ばれています。

真菌の分類 鞭毛菌類 ミズカビなど
接合菌類 ケカビ、クモノスカビなど
子嚢菌類 ユウロチウム、ハンゼヌラなど
担子菌類 シイタケなどのキノコ
不完全菌類 食品を汚染するカビの多くが含まれる



カビの形態は・・・ カビは、糸のような「菌糸」と「胞子」から成り立っています。

菌糸                  

盛んに枝分かれしながら生育し、この菌糸の集合体を「菌糸体」と呼びます。

胞子 球形、楕円形、棒状など色々な形があります。大きさは菌種により異なりますが、直径2〜10μmのものが多い。カビの様々な色はほとんどがこの胞子の色です。



【カビの種類と特長】 
その種類は6,000属70,000種あるといわれています。そのほとんどのカビは酸素が無いと生きられない好気性菌です。 

【カビが増殖する4つの条件】

栄養源がある

パンや餅などの食品はもちろん、塗料の成分や埃、
プラスチックまでも栄養源として増殖します。

湿度が高い

65%以上を好み、80%以上で急激に増殖します。

温度が高い

5〜35℃で、25〜30℃を最も好みます。
※一般的にカビは70℃程度の熱で死滅します。

換気が悪い

空気が滞留するような場所を好みます。


カビの胞子は、増殖に都合のよい条件におかれると2〜3日で目に見える塊(集落)になり、1週間もするとたくさんの胞子を作り、周囲に撒き散らします。作られた胞子は、風や水あるいは人によって他の場所に運ばれ、再び発芽し発育します。この繰り返しによりカビは広がります。 


【カビの発生を予防する『3つのかんき』をおこないましょう!

換気 室内と戸外の空気を入れ替える。
環気 室内の空気を循環させる。
乾気 湿気をとる。(エアコンの除湿など)


一般家庭では可能ですが、食品工場では熱効率の問題もあり困難だと思われます。浮遊菌の進入を許す事になりますので、清浄区域などでは対策方法を検討する必要があります。 


【カビが引き起こす病気】






疾患 

「アレルギー性ぜんそく」は、気管支の収縮で気道が狭くなったり、炎症を起こしたりして発症。8割以上はダニに起因していると言われているが、カビも原因になる。また、「アトピー性皮膚炎」は、皮膚に炎症や湿疹が起こり、かゆみ、赤斑などが発生。食品や薬品なども原因となるが、ダニ・カビもアレルゲンとなる。他に、アレルギー性鼻炎、アレルギー性角膜炎などの原因になるとも言われている。





最近、新しい病気として認められた日本特有のカビが原因で起こる病気。症状は、軽い咳、たん、微熱から始まり次第に激しくなり、息切れが加わる。日本では年に数百人〜千数百人が罹患していると推定されている。


水虫のように、カビが皮膚から侵入する「表在性真菌症(皮膚真菌症)」と、呼吸などで体内に侵入して肺に病変を作る「アスペルギルス症」、脳や中枢神経にまで取りつく「クリプトコッカス症」など、「深在性真菌症(内臓性真菌症)」がある。健康であれば感染することはないが、薬などの影響で体の抵抗力が弱っていると罹患しやすい。乳幼児や体力が落ちている老人のいる家庭では注意が必要。


食品に生えたカビは、カビ毒を作り出す。カビ毒には300種類以上もあり、食中毒を起こすもの、強い毒性を示すもの、「マイコトキシン」のように発ガン性を持つカビ毒まであり、要注意。



カビ毒について・・・ カビが作り出す代謝産物のうちで、人や動物に対して有害な作用を示す化学物質のことを総称してカビ毒と呼んでいます。カビ毒は熱に強く、通常の調理や加工の温度(100℃〜210℃)や時間(60分以内)では完全に分解することはできません。よって、カビが多量発生しないような環境を作ることが大事です。


【苦情を起こしやすい食品となるカビ】

        食 品



カビの種類

























苦情の発生頻度

 

 

アスペルギルス

 

 

 

 

 

 

 

 

ペニシリウム

 

 

 

 

ユーロチウム

 

 

 

 

 

ワレミア

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クラドスポリウム

 

 

 

 

 

 

 

 

オーレオバシヂウム

 

 

 

 

 

 

 

 

ハンゼヌラ

 

 

 

 

 

 

カンジタ

 

 

 

 

 

 

 

ムコール

 

 

 

 

 

 

 

 

 


△ まれに認められるもの

○ 認められるもの

◎ 多いもの 


【食品衛生上問題のある主なカビ】

菌 名 特 徴 写 真
ユ|ロチウム やや乾燥した環境(水分活性0.7〜0.85)を好むカビ(好乾菌)で、和・洋菓子類、魚介類乾燥品、ジャム、佃煮など糖あるいは塩濃度が高い食品や、乾燥食品などにしばしば発生します。食品のカビ発生苦情の原因菌としてポピュラーな菌です。 集落の色調は、青緑色または一部黄色。
写真:まんじゅうに生えたユーロチウム・ヘルバリオラム



好乾菌。チョコレート、カステラ、羊羹、干し柿など糖度の高い食品に発生する事が多いカビです。ほこり、じゅうたん、畳などからも多数検出されます。 直径2〜3mm程度の小さなチョコレート色の集落を形成します。
写真:まんじゅうに生えたワレミア・セビ
アスペルギルス コウジカビとも呼ばれ、自然界において最も普通に見られるカビの一種です。アスペルギルス・オリゼーのように醸造に欠かすことの出来ない菌、有機酸製造に応用されるアスペルギルス・ニガー、発ガン性のカビ毒を産生するアスペルギルス・フラバスなど、約150種類がこの属に含まれます。
パン、まんじゅう、ケーキ類、トウモロコシ、種々の穀類、穀粉類などの食品、ほこり、土壌など広く環境中に分布しています。 集落の色は、緑、黄土色、茶、黒、白、青緑と菌種によって様々です。
写真:減塩うめぼしに生えたアスペルギルス・アワモリ
ペニシリウム 日本の食品から頻繁に検出される菌です。アオカビとも呼ばれ、青緑色の集落を作るのが特徴で、約150種類に分類されています。その中にはペニシリンを作ったり、チーズの製造に用いられるペニシリウム・カマンベル ティや、黄変米の原因菌として知られるペニシリウム・シトリナム、ペニシリウム・イスランジカムのほか、オクラトキシンやペニシリン酸を産生するペニシリウム・ベロッコサムなどのカビ毒産生菌も含まれます。もち、柑橘類、リンゴ、魚肉練り製品、清涼飲料水、サラミソーセージ、乳製品などにしばしば発生します。また、穀類、穀粉類などの食品、ほこり、土壌など広く環境中に分布しています。
写真:レモンに生えたペニシリウム・ディギタータム

クラ


ポリウム
良く風呂場の壁でみかける黒いカビがこの菌です。俗にクロカビと呼ばれ、住居内ばかりでなく、まんじゅう、ケーキ、野菜など様々な食品や衣類にも生え、暗緑色から黒色の集落を作ります。空中に浮遊するカビの中で最も多いのがこの菌で、ぜんそくなどのアレルゲンとしても問題にされています。
写真:玉子焼きに生えたクラドスポリウム・クラドスポリオイデス

アルタナリア ススカビとも呼ばれ、梨、柑橘類、リンゴなどの腐敗の原因となるほか、茹でうどんなどの水分が多い食品に発生します。灰色から黒色のやや綿毛状の集落を形成します。土壌、空中、ほこり、植物、穀類などに分布し、植物病原菌、アレルゲンとしても重要視されています。
写真:メロンに生えたアルタナリア・アルタナータ

フザリウム 灰白色から深紅で綿毛状の集落を形成します。キノコなどをカビさせた例はありますが、市販の加工食品上で増殖した例はわずかです。畑などで麦をはじめ多数の植物に寄生する植物病原菌として知られています。この菌に感染した麦を食べる事によってアカカビ中毒が発生しています。土壌、麦などの植物、汚水などに分布し、一部の菌種はトリコテセン毒素という刺激性の強いカビ毒を産生します。
写真:かぼちゃに生えたフザリウム属のカビ

ムコ|
ケカビとも呼ばれ、灰白色で綿毛状の集落を形成します。発育は早く、食品上でも短時間のうちに大きな集落を形成します。土壌、果実、野菜、でんぷん、腐敗物などに広く分布し、長時間低温に保存した食品、生鮮野菜・果実などにしばしば発生します。
写真:ウニに生えたムコール属のカビ

オ|
レオバシヂウム
発育初期には白色の集落を形成しますが、次第に黒色の湿潤した集落となります。醤油および清涼飲料水製造工場やその周辺の環境中から頻繁に検出されます。清涼飲料水、ところてん、ゼリーなどの食品や工場の壁面などで発生が見られます。
写真:オレンジゼリーに生えたオーレオバシヂウム・プルランス

ハンゼヌラ 代表的な産膜酵母で、漬物汁などの液体表面では膜状に発生しますが、寒天培地や一部の固形食品では乳白色の円形、丘状の集落を形成します。ケーキ、パン、いなり寿司などの食品で増殖すると酢酸エチルを産生し、シンナー臭を発生させます。漬物、ジュース類、シロップなどから検出されます。
写真:黒糖カステラに生えたハンゼヌラ(ピキア)

ユ|ロチウム
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アスペルギルス
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ぺニシリウム
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クラドスポリウム
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アルタナリア
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フザリウム
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ムコール
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オーレオバシヂウム
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ハンゼヌラ
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※参考資料:東京都衛生局 食品衛生ミニハンドブック『カビとカビ毒』 


注目 カビが発生しにくい食品中の領域
【保管温度】
● 5℃以下 → カビの発育抑制 
● 0℃以下 → カビの繁殖不可 
※一部のカビは、-6℃でも発育可能であることが確認されています。

【pH】
●pH9.0以上 → カビは生育できません 
●pH2.0以下 → カビは生育できません 

【水分活性(AW値)】
● 0.75以下 → 殆どの微生物は増殖できない  
● 0.60以下 → カビは生えません

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