「気休め」の肉アルコール殺菌…専門家が指摘

焼き肉チェーン「焼肉酒家えびす」の集団食中毒事件で、卸元の食肉加工卸業者「大和屋商店」(東京・板橋区)が発症原因となったユッケ用生肉に行っていたアルコール殺菌処置について、効果を疑問視する声が専門家から出ている。

 チェーン運営会社「フーズ・フォーラス」(金沢市)は大和屋側からこの処置を提案され、菌が付く肉の表面をそぐ「トリミング」作業を省いていたとしているが、衛生管理上の実効性が問われそうだ。

 フォーラス社によると、ユッケ用生肉は、大和屋が約500〜約600グラムに小分けしてアルコール噴霧で表面を殺菌し、真空パックにすることで「無菌状態」を作り出したとしていた。こうした処置について、尾家重治・山口大准教授(消毒滅菌)は「肉には汁や血液などの有機物が多く、アルコール噴霧の効果はない。気休めにしかならない」と指摘。品川邦汎(くにひろ)・岩手大農学部特任教授(食品衛生)も、「アルコールを噴霧する程度では、菌を殺すことは難しい。生肉にはあまり効果がない」と話している。

(2011年5月12日11時29分  読売新聞)

生食用食肉の衛生基準

厚生労働省は、「生食用食肉等の安全性確保について」の通知で、生食用食肉の衛生基準を示していますが、平成20年度にこの通知に基づいた生食用食肉の出荷実績があったのは、馬の肉・レバーだけでした。牛肉については国内と畜場から生食用としての出荷実績はなく、一部生食用として輸入されているものがありますが、その量はごく少ないものと考えられます。また、鶏肉は生食用の衛生基準がありません。したがって、牛肉、鶏肉は、生で食べると食中毒になる可能性があります。 
(東京都福祉保健局HPより抜粋)
  

■「生食用食肉の衛生基準」  厚生省 生衛発第1358号

http://www1.mhlw.go.jp/houdou/1009/h0911-1.html

■「生食用食肉を取り扱う施設に対する緊急監視の実施について」  

食安発0505第1号(厚生労働省).pdf

ユッケ用肉のアルコール殺菌、識者「効果薄い」

 焼き肉チェーン「焼肉酒家えびす」の集団食中毒事件で、卸元の食肉加工卸業者「大和屋商店」(東京・板橋区)が発症原因となったユッケ用生肉に行っていたアルコール殺菌処置について、効果を疑問視する声が専門家から出ている。

 チェーン運営会社「フーズ・フォーラス」(金沢市)は大和屋側からこの処置を提案され、菌が付く肉の表面をそぐ「トリミング」作業を省いていたとしているが、衛生管理上の実効性が問われそうだ。

 フォーラス社によると、ユッケ用生肉は、大和屋が約500〜約600グラムに小分けしてアルコール噴霧で表面を殺菌し、真空パックにすることで「無菌状態」を作り出したとしていた。

 こうした処置について、尾家重治・山口大准教授(消毒滅菌)は「肉には汁や血液などの有機物が多く、アルコール噴霧の効果はない。気休めにしかならない」と指摘。品川邦汎(くにひろ)・岩手大農学部特任教授(食品衛生)も、「アルコールを噴霧する程度では、菌を殺すことは難しい。生肉にはあまり効果がない」と話している。
 
(2011年5月12日 読売新聞)

肉の食中毒、O111なぜ怖い…子どもやお年寄り要注意

■大腸菌の仲間が毒素をつくる  

O(オー)111やO157など「腸管出血性大腸菌」と呼ばれる大腸菌の仲間が怖いのは、「シガ(ベロ)毒素」と呼ばれる毒素を作るからだ。この毒素は血管の内側にくっついて、血管や細胞を破壊する。腸管の血管につくと出血を伴う腸炎が起こり、血便が出る。毒素が腎臓に回ると、「溶血性尿毒症症候群(HUS)」になり、腎臓が働かなくなる。脳内に入れば、脳神経細胞に障害が出て、脳症が起こる。  

腸管出血性大腸菌の中でO111は1割に満たない。厚生労働省によると、この10年で国内の食中毒患者はゼロだった。一方で、O157は9割を占め、この10年で約2600人が発症、10人が死亡している。  

O111で重症化しやすいのは、抵抗力の弱い子どもや高齢者だ。成人でもO111が大量についた食品を食べれば危険だ。理由は不明だが、女性は男性より重症化しやすいとされている。

 

■食肉処理時に菌がつく可能性  

腸管出血性大腸菌は家畜の腸内に生息し、皮膚にも付いている。普段食べる肉は筋肉部分でここには本来いない。しかし、家畜をと畜解体する際に細菌が肉の表面に移ることがある。と畜場でも腸管の中身が出ないよう処理し、ナイフや機械を消毒しているが、品川邦汎・岩手大名誉教授(食品微生物学)は「生きものである家畜を完全に消毒はできず、細菌をゼロにはできない」と話す。  

ユッケは加熱処理しないため、菌が付いていれば、そのまま口に入る。汚染されたものを放置すれば、細切れにして肉の表面積が増えた分、増殖も激しい。  

焼き肉店1161店舗が加盟する全国焼肉協会(東京都)は2008年秋、ユッケの製造マニュアルを加盟店に配布した。肉を0~4度で保管することや、専用の包丁、まな板、味付け用ステンレスボウルを使うなどの注意点を挙げた。しかし、加盟店でどれだけ実践されているかはわからない。フーズ社はこの協会には加盟していなかった。

 

■乳幼児や高齢者は加熱して  

牛肉は肉の表面を削りとるなど、厚生労働省の衛生基準を守って処理すれば、飲食店は客に生でも提供できる。同省は「大部分の営業者は基準を守って適切に処理していた」とみている。

衛生基準は1998年に作られた。と畜場、食肉処理施設での加工や飲食店での調理法を定めた。基準に沿って処理した肉は「生食用」と表示し、と畜場や食肉処理場の名前なども示すよう求めている。  

ただし、大腸菌が牛の肉の表面につく危険はあり、感染症の専門家は「菌が肉についてしまえば、表面を削るなどしても、食中毒のリスクは消えない」と話している。  

消費者向けに生食の危険性を啓発する自治体も多い。東京都は専門のサイト(http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/anzen_info/nama/)で注意喚起している。

厚労省の担当者も「乳幼児や高齢者は、十分に加熱した肉以外は食べさせないで欲しい。大人でも、食べたい人は感染のリスクを理解したうえで判断を」と話している。  

生食でなくても、加熱が不十分だと食中毒のリスクがある。腸管出血性大腸菌は、75度で1分以上加熱すると死ぬ。しかし、ひき肉からつくるハンバーグなどは、内部まで菌が入り込みやすく、より加熱が大切だ。

注意したいのは、加熱前の生肉の調理に使ったまな板や包丁、人間の手を通じ、野菜など、生で食べる食材に菌が付着してしまうケースだ。生肉の調理に使った器具は熱湯で消毒し、洗剤で手を洗ってから他の食材を調理したほうがいい。生肉は冷蔵庫で10度以下で保存すれば、菌は増えにくくなる。

2011年5月7日(asahi.com)

アルコール殺菌で大丈夫と思った…焼き肉店側

「生食用ではないことを把握していたが、アルコール殺菌すれば安全だと思った」――。

 富山県砺波市の焼き肉チェーン「焼肉酒家えびす」砺波店で生肉のユッケを食べた高岡市の男児(6)が腸管出血性大腸菌「O(オー)111」に感染、死亡した集団食中毒。同チェーンを運営するフーズ・フォーラス社(金沢市)は30日の本紙の取材に、提供したユッケが厚生労働省が定めた生食用の基準を満たしていないことを認めた。

 福井市内の同チェーン店で食事をした未就学の男児が死亡し、福井県が関連を調べているほか、新たに高岡市の同チェーン店でも7人が発症、うち3人が重症となったことが判明。県内の累計患者数は38人、累計重症患者数は15人に上り、感染被害が広がっている。

 厚労省の生食用の肉に関する基準は、生レバーによる食中毒の多発を受けて、1998年に制定。決められた場所と手順で牛などを解体するほか、販売する際は「生食用」と明記する必要がある。ただ、基準には強制力や罰則規定が無く、「あくまでも指導指針」(富山県)という位置づけで、順守するかは業者の姿勢に委ねられている。

 同社に肉を卸販売している東京都板橋区の食肉販売業者によると、通常の食肉加工場から仕入れた肉を500〜600グラムごとに切り分け、表面などをアルコール殺菌したあと、真空パックに入れて同チェーン各店に卸している。業者幹部は「あくまでも一般的な加工で、生食用ではない」とし、「殺菌処理はしているが、完全に無菌にすることは不可能」としている。

 同社によると、死亡した男児が食べたユッケは、同業者から砺波店に16日か19日に届いた真空パック入りの生肉。冷蔵庫で保存した後、21日にユッケの形に切り分け、20日に調理加工した分と合わせて客に提供。男児がこれを食べた。

 同社商品部は「販売業者がアルコール殺菌した上で管理しており、生で食べても大丈夫だという認識だった」としている。

 焼肉酒家えびすは97年にオープン。翌年に法人化すると、12年間で20店舗まで拡大した。急成長した理由の一つが100円メニューなど価格の安さで、今回、問題となったユッケの価格は280円。同社ホームページでは、「2人に1人がリクエストを頂く商品です」と記載されている。

(2011年5月1日11時37分  読売新聞)

岩見沢食中毒は「人為的ミス」・・・市の検証結果

学校給食を原因とする岩見沢市の集団食中毒で、同市は22日、独自の検証結果を公表した。

恒常的に調理機材の消毒をしていなかったことや、担当職員が手袋の交換をしなかった可能性などを指摘し、「人為的なミスが原因」と断定した。 

今回の食中毒では、小学生1344人、中学生141人など計1557人が発症。給食に出されたサラダと、サラダを混ぜた釜のアームシャフトからサルモネラ菌が検出された。 

岩見沢共同調理所は「シャフトは煮沸消毒が難しいため消毒液で消毒していた」としていたが、検証結果では、マニュアルの記述があいまいで、担当職員は洗浄だけして消毒をしていなかったことが判明した。 

同調理所では、文部科学省の学校給食衛生管理基準で禁止されているにもかかわらず、食材を段ボールごと冷凍庫に保管していたことも判明した。 

同市教委は「機材の洗浄を複数の人で確認するほか、シャフトを釜の熱湯で煮沸消毒するなど改善したい」としている。  (2011年3月23日  読売新聞)

鳥インフル「ウイルス運搬半分は人か」専門家と県意見交換

宮崎県内で今季13例が発生している高病原性鳥インフルエンザの感染経路について、県は専門家を招いて意見交換した。国の疫学調査や、日本野鳥の会による野鳥の生息状況調査が報告された。 

 宮崎大農学部の堀井洋一郎副学部長は、野鳥が保有するウイルスがどのように鶏舎内に入ったかについて、半分近くは人間が持ち込んだ可能性があるが、羽毛に付着して外気と一緒に舞い込むなど複数要因が考えられる」と述べ、特定の難しさを強調した。 

 経路特定の手掛かりとなる発生農場の共通項について、13例のうち10例がブロイラーで、9例が出荷直前の35-55日齢だったことも報告された。 

 意見交換は17日に開かれ、2月に続き2回目。県は今後、さらに意見交換して防疫対策の見直しに生かす方針。

=2011/03/21付 西日本新聞朝刊=

食中毒:給食のブロッコリーサラダが原因 北海道・岩見沢

北海道岩見沢市の小中学校9校の児童、生徒らが食中毒症状を訴えた問題で、岩見沢保健所は23日、市の共同調理所で調理した給食のブロッコリーサラダが原因の集団食中毒と断定した。調理器具の消毒が不十分だった可能性や、近くで調理していた生の鶏肉からの2次汚染の可能性もあるという。同保健所は食品衛生法に基づき、同調理所に23日から5日間の使用停止を命令。清掃消毒などの改善を指示した。

 同保健所によると、原因菌のサルモネラ菌が見つかったのは9日の給食。当初は発症時期から10日の給食が原因とみられていたが、検査の結果、保管していた9日の献立のブロッコリーサラダから菌が検出され、発症者10人の便から検出された菌と遺伝子型が一致。同保健所のアンケート調査の結果で、9日午後から発症者が出ていたことも分かった。

 サラダはゆでたブロッコリーとニンジンにドレッシングをあえたもので、計2711人分を大型鍋で同時に調理。混ぜる際に使った「シャフト」と呼ばれる自動調理器具の軸の部分からも菌が検出された。

 文部科学省は、学校給食施設の調理器具をアルコールか塩素、煮沸のいずれかで消毒するよう指示している。サルモネラ菌は63度以上の加熱で死滅するとされるが、同調理所では52~53度の湯をかけていただけだったという。

 市教委によると、発症者は1541人に上り、いずれも症状は快方に向かっているが、いまだ193人が腹痛などを訴えている。発症者が相次いだ14日から休校が続いていた9校は23日までに一部の学級・学年閉鎖を除き、全校が授業を再開した。

 渡辺孝一市長は記者会見し、「発症したお子さん、父母に心配をかけて申し訳ない。今後、誠心誠意をもって対処する」と陳謝した。

毎日新聞 2011年2月23日 20時55分


<コメント>
一般のアルコール製剤は、水分が少しでも残っていると希釈され効果が薄れることが知られています。また、塩素系消毒剤は、ステンレスをも腐食してしまうため、高額な製造機器への使用は避けられているのが現状です。熱湯消毒に至っては、従事者の火傷の問題もあり、現場対応はなかなか難しいようです。

現在の技術では、多少濃度が薄まっても効果を発揮する食品添加物アルコール製剤もありますので、前述の課題を解決できるようになっています。

お困りの方はお気軽にお問合わせ下さい。→ こちらから

鳥インフル:「警戒緩められない」…農水省委員会委員長

養鶏場で相次いで発生した高病原性鳥インフルエンザに関して、農林水産省は10日、専門家による小委員会(委員長、喜田宏・北海道大大学院教授)と疫学調査チーム(チーム長、伊藤寿啓・鳥取大教授)の検討会を合同で開催した。終了後、伊藤チーム長は、宮崎県の養鶏場で多発した理由について「解析を進めている」と述べるにとどめたが、喜田委員長は個人的見解とした上で、人や車などによる伝播(でんぱ)の可能性を指摘した。

 喜田委員長は宮崎での多発について、道沿いの発生がある▽死んだ鶏を集める業者が一部で同一▽鶏舎入り口付近で発生したケースがある--などを挙げ「個人的には、車などを含め、人の動きと関係があるのではないかと思う」と説明。また「日本中に感染した鳥がいると考えるべきだ。警戒は緩められない」と述べた。

鳥インフル 早期の異変察知が重要だ

2011.1.28 03:08(産経ニュース)

 九州の宮崎、鹿児島両県に続き愛知県豊橋市でも養鶏場で高病原性鳥インフルエンザによる鶏の大量死が確認された。昨年11月の島根県安来市の例も含め、いずれのケースも、養鶏場内の鶏をすべて殺処分し、感染の拡大防止にあたっている。当然の措置だろう。

 H5N1型の鳥インフルエンザウイルスは、まれにではあるが、鳥から人への感染例が世界各地で報告されている。しかも、人に感染した場合の症状は重く、致死率も高い。

 一方で、国内ではこの冬、シベリア方面から渡来した渡り鳥のH5N1感染が数多く報告されている。また、隣国の韓国でも野鳥や養鶏場における家禽(かきん)の感染被害が相次いでいる。

 渡り鳥には例年になく広範にH5N1ウイルスが広がっているとみられる。それだけに、養鶏場での感染も、国内どこでも発生しうるという前提で、全国の養鶏の現場は緊張感をもって異変の察知と早期通報を心がけてほしい。

 鶏やアヒルなど家禽へのH5N1感染には日本だけでなく、世界各国が感染を把握するとただちに殺処分に踏み切る政策をとっている。人に高い致死性を持つ新型インフルエンザの出現だけは、なんとしても避けたいという国際的な共通認識があるからだ。

 H5N1はもともとカモなどが保持するウイルスで、それが他の野鳥や家禽に感染すると高い致死性を示すことになる。鳥と人との間では濃厚な接触の機会がなければ感染は成立しないとされている。だが、逆にそうした接触機会が増えれば、その過程で人に高い感染性を持つ新型ウイルスに変化する可能性は否定できない。

 これまでの事例についても、あってはならないことが起きたという後ろ向きのとらえ方ではなく、起こりうる危機への対応という観点からの評価が必要だ。

 ひとたび感染が起きれば、大切に育てた鶏の大量殺処分を受け入れる以外に選択肢はない。この現実は養鶏業者には過酷だが、そこで通報などを逡巡(しゅんじゅん)していては被害の拡大を招くだけである。

 通報を受ける行政当局もウイルス検査などを迅速に行い、的確な判断を行う体制が必要だ。少なくとも渡り鳥が北へ帰る3月ごろまでは、早期の通報と迅速な判断で危機を乗り越えていかなければならない。

鳥インフルどうして拡大? 大雪で渡り鳥南下/アジアで蔓延

産経新聞 1月27日(木)7時56分配信
 各地で次々と感染が確認されている高病原性鳥インフルエンザ。昨年10月に北海道稚内市の野鳥の糞(ふん)で確認されたのを皮切りに、鹿児島県など日本を代表する養鶏地帯に拡大した。養鶏農場で発生し、殺処分対象となった鶏は計約45万羽と、農林水産省に記録がある平成16年以降で3番目の規模に達した。拡大の理由について、専門家は今年の豪雪や近隣国での蔓延(まんえん)を指摘する。

 これまでに野鳥や動物園での感染が確認されたのは北海道や富山県など。養鶏農場では島根、宮崎、鹿児島の3県で、愛知県豊橋市は検査中だ。農水省の統計によると、卵を含めた養鶏産出額1位は鹿児島県で、2位は宮崎県、愛知県は採卵用鶏の飼育数が3位(平成21年)。日本有数の養鶏地域で集中的に発生した。

 各地で強毒性と確認されたウイルスは極めて近いタイプとみられる。農水省はシベリアなどの渡り鳥の営巣地からウイルスが運ばれた可能性があるとみて、感染経路を調べている。

 ただ、渡り鳥は例年飛来している。宮崎大の後藤義孝教授(家畜微生物学)は「渡り鳥はエサを求めて南下する。今年は日本海側で雪が多かったので、九州地方など南に下りてきたのではないか」と推測する。

 また、北海道大大学院の喜田宏教授(ウイルス学)は、近年のアジア地域での蔓延を挙げ、「中国やベトナムなどでワクチンを注射して症状が抑えられ、見えないうちに感染が広がっている。アジアからウイルスを根絶しないと、今年のような事態が毎年繰り返されることになる」と指摘する。

 養鶏王国の鹿児島県は、今回が初めての発生だった。22日に発生農場を含む県内の農場1031戸に電話で緊急の聞き取り調査を実施し、異常がないことを確認したばかり。県畜産課は「例年と何が違うのか教えてほしい」と頭を抱える。

 農水省によると、ウイルスは感染した鶏や糞が落ちた湖などを通して広がるほか、人の靴底や小動物などに付着しても広がる。特に感染しても死なないカモはウイルスを生かして運搬する“運び屋”だという。

 京都産業大の大槻公一鳥インフルエンザ研究センター長は「鶏舎の完全な密閉は事実上不可能。防鳥ネットや消毒など基本的なことができているか検証する必要がある。渡り鳥が帰る3~4月、遅ければ5月の初めまで警戒が必要だろう」と話している。

インフルで休校や閉鎖2621校、17倍に急増

厚生労働省は26日、16~22日の1週間にインフルエンザで休校や学年閉鎖、学級閉鎖を実施した保育所や幼稚園、小中高校が計2621校となり、前週の151校から約17倍に急増したと発表した。

 冬休みが終わって授業が再開された結果、インフルエンザの流行が急速に広がっているとみられる。

 小学校が最も多く、1652校を占めている。全体の内訳は、休校98校、学年閉鎖702校、学級閉鎖1821校。都道府県別では、東京の198校に千葉145校、埼玉139校、大阪114校が続いた。
(2011年1月26日22時05分  読売新聞)

今季初、全国的にインフル注意報…患者2倍に

読売新聞 1月21日(金)13時12分配信
 国立感染症研究所は21日、全国約5000か所の医療機関を対象にしたインフルエンザの定点調査の結果、最新の1週間(1月10~16日)に、新たに医療機関を受診した患者が1か所当たり12・09人で、前週(5・06人)から2倍以上増え、今季初めて全国的に注意報レベルの10人を超えたと発表した。

 都道府県別では沖縄が55・26人で、警報レベルの30人を超過。注意報レベルの10人を超えたのは計26県(沖縄を含む)で、前週の3県を大幅に上回った。佐賀(27・87人)、福岡(24・81人)などが患者が多い。東京圏では千葉が17・56人、埼玉14・41人、神奈川10・25人、東京9・88人。

 この1週間で推計78万人が受診し、うち成人が57・7%を占めた。厚生労働省は「昨季かからなかった世代で広がっている。なるべく人ごみを避け、手洗いやマスク着用などの徹底を」と呼びかけている。

<タミフル>投与患者、8%に耐性ウイルス 治療に影響、懸念−−東大など調査

毎日新聞 1月20日(木)8時34分配信
 インフルエンザ治療薬「タミフル」を投与した患者のうち約8%で耐性ウイルスが現れていることが、東京大医科学研究所などの調査で明らかになった。タミフルが他の治療薬と比べ、臨床現場での治療により耐性ウイルスを出しやすいことが分かったのは初めて。19日、感染症の米専門誌電子版に発表した。

 河岡義裕・同研究所教授(ウイルス学)らの研究チームは05~09年の過去4シーズン、けいゆう病院(横浜市)でタミフルと治療薬「リレンザ」を投与した患者各72人計144人を調べた。その結果、タミフルで治療した患者6人から耐性ウイルスが確認されたが、リレンザで治療した患者からは現れなかった。

 患者はいずれもタミフルの投与で回復したが、体内でインフルエンザウイルスが増殖する過程で一部が耐性を獲得した可能性があるという。こうした耐性ウイルスは増殖力が比較的弱いとされ、これまで治療が原因による感染拡大は起きていない。だが、感染力や増殖力が強まれば、タミフルが治療に使えなくなるなど、今後の治療に影響する懸念がある。

 同病院の菅谷憲夫小児科部長は「国内では経口薬のタミフルのほか、吸入薬のリレンザ、イナビル、点滴薬のラピアクタの計4種類のインフルエンザ治療薬がある。バランスよく使っていくことが大切だ」と話している。

冬の感染症猛威 拡大防止に手洗いと消毒を

冬季に多いノロウイルスやインフルエンザウイルスによる感染症が、猛威を振るっている。

 昨冬は、新型インフルエンザの出現で、社会全体が感染症への警戒感を高めていた。このため、新型インフルエンザを除き、ノロウイルスを含むほとんどの感染症で患者数が例年を大きく下回った。

 ところが、今冬は、その警戒感が薄れたスキを病原体に突かれた形になった。流行の拡大を防ぐため、消毒や手洗いといった感染症対策の基本を、改めて徹底する必要があろう。

 ノロウイルスを主な原因とする感染性胃腸炎については、患者の急増を受け、「警報」を発令する自治体が相次いでいる。

 飲食店を利用した多数の客が下痢や嘔吐(おうと)の症状を訴えたり、保育園でも園児たちが、同様の症状に陥ったりする例が目立つ。中には幼児が死亡した例もある。

 食を通じた感染例が多い。二枚貝の生食や、調理する際の食品汚染などが原因となる。

 患者の吐しゃ物の処理や消毒が十分でない場合、残ったウイルスが乾燥して舞い、それを吸い込んで感染することもある。

 問題は、このウイルスに対する予防ワクチンがなく、発症しても治療薬がないことだ。水分を十分に取り、回復を待つしかない。

 しかも、このウイルスは、一般的なアルコール消毒では死滅させることができない。このため患者の吐しゃ物を処理する際には、きれいに洗い流すか、塩素系の消毒剤を使う必要がある。

 公的な施設の入り口などに置かれているアルコール系の消毒剤への過信は禁物だ。

 インフルエンザも、厚生労働省が「全国的な流行開始」を宣言して注意を呼びかけているが、拡大に歯止めがかからない。

 当初は、A香港型という旧来のウイルスが主流だった。だが、最近は、昨春まで流行していた新型インフルエンザが感染者の6割に達している。

 新型は感染力が強い。抗ウイルス薬の種類が増え、治療の幅は広がってきたものの、重症化することもある。やはり手洗いやマスク着用などによる予防が一番だ。

 冬の寒さはこれからが本番である。この寒さと乾燥で、ウイルスなどの病原体は生き延びやすくなる。一方で人間は体力、免疫力が落ちる。

 感染症に対する国民の警戒感を高めるため、政府や自治体は、きめ細かく情報提供すべきだ。
(2011年1月13日01時22分  読売新聞/社説)


<コメント>
まだまだノロウイルス予防に一般的なアルコール製剤を使用しているところが多々あります。ノロウイルスに対して有効性が確認された薬剤を使用しましょう!

おう吐物処理には、漂白や薬品臭などの問題で塩素系薬剤が使用できないところ(じゅうたん、衣服、ふとん等)には、前述の問題に対して心配が無い『G2TAMαPLUS(ジーツータムアルファプラス)』がお勧めです。消臭効果もありますので、おう吐物のニオイも消えて一石二鳥ですよ。

【主張】鳥インフルエンザ 拡大の機会減らす対応を

2011.1.6 02:53(産経ニュース)
 高病原性鳥インフルエンザウイルスH5N1に感染した野鳥の死が国内や韓国で相次いで報告されている。

 ツルの飛来地として知られる鹿児島県出水市では年末から年始にかけて衰弱死したナベヅルやマナヅルからH5N1ウイルスが見つかり、鳥取県米子市のコハクチョウ、富山県高岡市のコブハクチョウも感染が確認された。

 昨年はシベリアで夏場を過ごした野鳥にH5N1感染が広がった可能性が高く、北海道稚内市では10月段階ですでに渡り鳥の糞(ふん)からH5N1が確認されている。

 11月には島根県安来市の養鶏場で鶏が相次いで死に、県はH5N1感染の確認を待つことなくこの養鶏場の鶏約2万1500羽を殺処分にした。韓国でも昨年末、養鶏場の鶏の大量死に対しウイルスの確定を待たずに10万羽以上を殺処分にしている。

 これほどまでに各国が警戒するのは、H5N1ウイルスがまれにではあるが、鳥から人に感染するからだ。他の養鶏場への拡大や人への感染を防ぐには、鶏に対する「疑わしきは殺処分」の対応も致し方ない選択だろう。

 世界保健機関(WHO)によると、2003年以降、東南アジアや中国、エジプトなど世界各地で計512人のH5N1感染が報告され、このうち304人は死亡している。昨年は44人の感染が報告され、半数の22人が死亡した。

 養鶏場に広がれば、鳥から人への感染の接点も増え、人に感染しやすいウイルスに変わる可能性もその分、大きくなる。養鶏場への感染拡大を防ぎ、人に高い感染性を持つ新型ウイルス出現の機会を減らすことがまず大切だ。

 ただし、渡り鳥の間で定着しているウイルスを完全に閉め出すことは簡単ではない。この冬の間に感染した野鳥が見つかる可能性は全国どこにでもある。養鶏場への感染もありうると考えておくべきだろう。大切なのは感染の事実を把握し、拡大を防ぐ手段を早期にとれるようにすることだ。

 それは養鶏の現場の協力があって初めて可能になる。

 そのためにも、世の中が不安のあまり、感染報告を何か罪でも犯したかのように受け止めることは自制したい。また、死んだ鳥は素手でさわらない、鳥の死骸を見つけたら行政機関に知らせるといった一般的注意も大切だ。

インフル:流行本格化、新型が急増、季節性を逆転

インフルエンザの流行が本格化している。特に昨年、世界的に大流行した新型インフルエンザが急増し、今季主流を占めていた季節性のA香港型と割合が逆転した。日本感染症学会など関連する学会は早期診断、早期治療の徹底を呼びかけている。

 国立感染症研究所(感染研)によると、今シーズン国内各地で検出されたウイルスはA香港型が7割近く、新型が3割弱、残りがB型。だが、流行入りした最新の1週間(12月13~19日)に新型はA香港型の約3倍と逆転し、12月6~26日の3週間の速報値(28日現在)では新型が182件でA香港型の71件を大幅に超えた。

 新型は、感染から4~5日後に急激に呼吸状態が悪化し死亡する例がある。肺で増殖しやすい性質のため、鼻やのどの粘膜をとって調べる簡易検査では陰性となるケースが多い。

 厚生労働省は昨シーズン、症状がある患者全員に詳細な遺伝子検査を実施するよう通知していた。だが、今シーズンは通知内容が変わり、簡易検査で陽性となり、さらに集団感染などの例に限って遺伝子検査を行うよう求めている。

 日本呼吸療法医学会の竹田晋浩・日本医科大准教授は「治療の遅れは致命的になる。遺伝子検査による確定診断があれば投薬などの処置が全く異なる。保健所は積極的に遺伝子検査をしてほしい」と要望する。

 また、感染研の調査によると、12月16日現在、新型に対する免疫の保有率は10~19歳の若年層が65%と高い一方、25~49歳は30~39%、0~4歳と50歳以上は13~24%と低く、従来の季節性とは異なる傾向がある。日本感染症学会は今シーズンのインフルエンザ対策として「季節性と新型がともに流行することで幅広い年齢層で注意が必要」と指摘している。

毎日新聞 2010年12月31日 2時30分

鳥インフル、営巣地にウイルス定着? 新パターンに警戒感強まる 

産経新聞 12月20日(月)1時37分配信
 今年10月以降、野鳥や養鶏場などでの高病原性鳥インフルエンザの感染確認が各地で相次いでいる。鳥取県は19日、米子市で見つかったコハクチョウから強毒性のウイルス「H5N1型」が検出されたのを受けて見回り調査を行い、衰弱状態や死骸の野鳥計31羽を回収した。死後長期間が経過し検査できないものなどを除く23羽の死骸を鳥取大で調べる。また、富山県は19日、高岡市で死んだコブハクチョウを検査した結果、強毒性の高病原性鳥インフルエンザウイルスを検出したと発表した。島根県や北海道で感染が判明したウイルスと「極めて近縁」としている。

 農林水産省などの調査では、シベリアなど北方の営巣地から渡り鳥がウイルスを国内に運んだ可能性があるという。伊藤寿(とし)啓(ひろ)鳥取大教授(獣医公衆衛生学)は「今までとは違うパターンだ」と指摘する。

 北方の営巣地を飛び立つ渡り鳥には2種類のパターンがある。10~11月ごろ、営巣地から直接日本に飛来するパターンと、中国や韓国を経て12月~翌年1月に飛来するパターンだ。

 伊藤教授によると、過去に北方の営巣地でH5N1型は確認されていない。そのため、これまでは中国や韓国のH5N1型発生地を経由して感染した渡り鳥が、ウイルスを日本に持ち込んでいると考えられてきた。だが、今年は渡り鳥が北方から日本に直接飛来する10~11月に初めてH5N1型の発生が確認された。韓国や中国では今秋、この型の発生報告はない。農水省は前年に発生地から営巣地に持ち込まれたウイルスが定着し、日本に運ばれた可能性もあるとみている。

 伊藤教授は「もし営巣地にウイルスが定着しているなら、渡り鳥は毎年ウイルスを運ぶと警戒しなければならない」と懸念する。

 農水省は「乾燥した冬場はウイルスが広がりやすい。養鶏場が家畜を野鳥と接触しないように注意するのはもちろん、一般の人も死んだ野鳥を見つけたら触らないで通報してほしい」と呼び掛けている。

富山・高岡で鳥インフル疑い…死んだハクチョウ

読売新聞 12月17日(金)10時23分配信
 富山県は17日、高岡市古城の市営高岡古城公園動物園のお堀で死んでいたコブハクチョウ2羽のうち1羽から、簡易検査で鳥インフルエンザの陽性反応が出たと発表した。

 県が詳しい検査を行ったうえで感染の疑いが強まれば、検体を動物衛生研究所(茨城県つくば市)に送り、最終的な感染の有無を判断する。

 高岡市によると、16日午前8時15分頃、お堀で飼育していたコブハクチョウの成鳥1羽、ヒナ1羽が死んでいるのを動物園職員が発見。県西部家畜保健衛生所で簡易検査したところ、成鳥は陰性、ヒナは陽性だった。現在、富山市の県東部家畜保健衛生所でさらに詳しい検査をしている。

 お堀では、コブハクチョウ13羽、アヒル2羽などを飼育していた。今月10、11、13日にもコブハクチョウが死んでいるのが見つかっている。10、11日に発見されたコブハクチョウは、動物に食べられていたため検査できず、13日に死んでいたヒナを簡易検査した時は陰性だった。

ノロウイルス?老人介護施設で2人死亡

読売新聞 12月13日(月)21時19分配信
 新潟県は13日、同県上越市西城町の介護老人保健施設「くびきの」(入所者93人)で、ノロウイルスによる感染性胃腸炎の集団感染があり、90歳代男性と80歳代女性の入所者2人が12日朝に死亡した、と発表した。

 県などによると、同施設では9日から、死亡した2人を含む入所者、職員合わせて44人が下痢や嘔吐(おうと)などの症状を訴え、死亡した男性を含む5人の便などからノロウイルスが検出された。ほかの患者は快方に向かっているという。県で感染経路などを調べている。

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