食中毒:給食のブロッコリーサラダが原因 北海道・岩見沢
北海道岩見沢市の小中学校9校の児童、生徒らが食中毒症状を訴えた問題で、岩見沢保健所は23日、市の共同調理所で調理した給食のブロッコリーサラダが原因の集団食中毒と断定した。調理器具の消毒が不十分だった可能性や、近くで調理していた生の鶏肉からの2次汚染の可能性もあるという。同保健所は食品衛生法に基づき、同調理所に23日から5日間の使用停止を命令。清掃消毒などの改善を指示した。
同保健所によると、原因菌のサルモネラ菌が見つかったのは9日の給食。当初は発症時期から10日の給食が原因とみられていたが、検査の結果、保管していた9日の献立のブロッコリーサラダから菌が検出され、発症者10人の便から検出された菌と遺伝子型が一致。同保健所のアンケート調査の結果で、9日午後から発症者が出ていたことも分かった。
サラダはゆでたブロッコリーとニンジンにドレッシングをあえたもので、計2711人分を大型鍋で同時に調理。混ぜる際に使った「シャフト」と呼ばれる自動調理器具の軸の部分からも菌が検出された。
文部科学省は、学校給食施設の調理器具をアルコールか塩素、煮沸のいずれかで消毒するよう指示している。サルモネラ菌は63度以上の加熱で死滅するとされるが、同調理所では52~53度の湯をかけていただけだったという。
市教委によると、発症者は1541人に上り、いずれも症状は快方に向かっているが、いまだ193人が腹痛などを訴えている。発症者が相次いだ14日から休校が続いていた9校は23日までに一部の学級・学年閉鎖を除き、全校が授業を再開した。
渡辺孝一市長は記者会見し、「発症したお子さん、父母に心配をかけて申し訳ない。今後、誠心誠意をもって対処する」と陳謝した。
毎日新聞 2011年2月23日 20時55分
<コメント>
一般のアルコール製剤は、水分が少しでも残っていると希釈され効果が薄れることが知られています。また、塩素系消毒剤は、ステンレスをも腐食してしまうため、高額な製造機器への使用は避けられているのが現状です。熱湯消毒に至っては、従事者の火傷の問題もあり、現場対応はなかなか難しいようです。
現在の技術では、多少濃度が薄まっても効果を発揮する食品添加物アルコール製剤もありますので、前述の課題を解決できるようになっています。
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